かごしま子ども夢大学

2016 総括リポート vol.4

「学校と企業の連携・協働が鍵

 キャリア教育で豊かに生きる力を!」

 

 キャリア教育の一環として、県内の小学5・6年生30人が働く意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポート最終回となる今回は、講師として携わった、鹿児島市立八幡小学校教諭・兒玉拓世さんに、現代社会におけるキャリア教育の展望を聞きました。

 

兒玉先生メイン2 かごしま子ども夢大学の講師として、第2・第6講座を通し、子どもたちの成長を見守った小学校教諭の兒玉拓世さん。「近い将来、効率的な仕事などはコンピューターが担い、人間の役割・価値を求めていく社会になります。加速度的な社会の変化と合わせて、学校教育も大きく変わりつつあります。小学校では、未知の状況にも柔軟に対応できる思考力・判断力・表現力の育成が大切になります」と話します。

 一昨年、昨年に続き、3回目の講師を務めた今回、教育機関と企業が連携し、子どもたちの未来を切り開く力を育成する「かごしま子ども夢大学」の必要性をあらためて感じたそう。講座では、前回よりディベートの部分を増やし、将来働く上で必要になってくる〝コミュニケーション能力〟を磨くため、話し合う時間を大切にしました。

■働く〝人〟に注目して大人の勤労観を深く理解

 「働くことに対する小学生の意識は、〝職業〟そのものに向いてしまいがち。でも大切なのは働いている〝人〟を見て、働く意義を考えることです」と兒玉さん。夢大学では職場体験前に働く大人にインタビューし、〝働きマン新聞〟にまとめます。この新聞づくりにより、職場体験でも子どもたちの目は働く〝人〟に向くようになります。

 そして、第6講座「生きる力を働きマンから学ぼう」では、人は何のために働くかと問い、勤労観について深く考えました。

 「今後、キャリア教育を受けた子どもたちが、人は何のために働くのかを問い続けるためにも、働きマンとの出会いを大切にさせたいですね。親子で外に出たら、普段は風景の一部に溶け込んでいる働きマンの姿に目を向け、話題にすることを心掛けるとよいかと思います。そうすることが、子どもたちの夢の選択肢を増やすことにもつながるでしょう」